乳がんの早期発見ブラジャーをメキシコの少年が開発? [健康・薬]
◆乳がん見つける“IoTブラジャー” 日本にも進出か?
乳がん発見ブラジャー「EVA」。シンプルなデザインで
着るのにも抵抗がなさそう .
乳がんは、早期発見できれば治療で完治できるが、発見が
遅くなれば乳房の切除や死に至るなど、油断できない病気だ。
2015年時点で、世界には240万人の乳がん患者が存在し
(米国ワシントン大学研究グループの調査結果)、
女性がかかるがんの中で最も多いとされている。
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◆乳がん発見ブラの開発者はメキシコ人
このような現状に立ち上がったのが、メキシコに住む
19歳の男子学生ジュリアン・リオス・カントゥ(Julian
Rios Cantu、Twitter:@JulianRiosCantu)さんだ。
彼が実用化を目指し開発している画期的なプロダクト
とは、乳がん発見ブラジャー「EVA」。
1週間に1度、1時間着用するだけで乳がんの早期発見に
つながるという夢のようなブラだという。一体どの
ようなものなのだろうか。
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◆乳がん早期発見のメカニズム
EVAには200のがん検出バイオセンサーが組み込ま
れた2つのパッチが埋め込まれ、初期の乳がんに見
られる乳房の体温変化のパターンや皮下組織の柔軟
性を検出し、乳がんの早期発見を促すという。
乳がんは腫瘍が発生する際、その部分に血液が大量
に送られることで感触が変化し、体温も上昇すると
いう。EVAのアルゴリズムは、これらの変化に敏感に
反応し、同じ状況が継続すれば、乳がんリスクが高い
としてユーザーに病院での診察をアドバイスする。
乳がんは早い段階で発見し治療すれば約90%の人が
治るといわれているが、乳がんの初期症状は本人に
とってほとんど自覚がなく、早期発見が難しい。
しかし、EVAを定期的に使用すれば、こうした発見が
困難な初期症状を素早く見つけてくれるのだ。
冒頭でも述べたように、EVAの装着は1週間に1度、
1時間のみ。EVAはこの装着時間内でユーザーの乳房
のデータを収集。そのデータは、スマートフォンや
タブレット端末にあらかじめインストールされたアプ
リへBluetoothを介して送信され、人工知能(AI)を
搭載したアルゴリズムにより乳がんリスクを分析するという。
今年4月時点で初回の製造分である5000着のEVAが完売したと、
ジュリアンさんは発表。今後さらにアルゴリズムに改良を
加え、乳がんを検出する高いクオリティーを担保したのち、
2019年初めごろに大量生産を始める予定という。
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◆価格は?
価格は当初、生産過程などの都合上300ドル(約3万3千円)に
なると予測されていたが、ジュリアンさんのアイデアに
賛同したパートナー企業の協力により、1着120ドル
(約1万3千円)にまで下げることができたという。
この価格で乳がんが防げるならかなりお得ではないだろうか。
◆EVA開発のきっかけは母親のつらい実体験
EVAを開発したのは、ジュリアンさんが創業した、バイオ
センサーに特化したスタートアップHigia Technologiesだ。
「Higia(Hygieia)」とは、ギリシャ神話に登場する、健康
の維持や衛生をつかさどる女神だ。
ジュリアンさんがEVAを着想したのは、なんと13歳のころ。
母親が乳がんにかかったのがきっかけだ。乳がんの早期発見
ができなかった彼の母親は、最終的に両乳房を切除すること
になってしまったのだ。
そして16年、自分の母親のつらい経験を見てきた彼は、1人で
も多くの女性を乳がんから救いたいと考え、Higia Technologies
を創業。友人を巻き込んで、EVAの開発に乗り出したという。
創業から2年、チームは7人となり、アドバイザリーボード
には米ハーバード大学医学大学院の准教授や元メキシコ
厚生労働大臣など6人を迎えている。さらに今後の海外
展開のために、コロンビア、スペイン、米国などにも
開発者を抱えている。
実用化が進めば、これほど世界中の女性から求められることは
ないプロダクトを、たった2年で形にした19歳に世界も驚いて
いる。
世界中の学生起業家の中から優秀な人材を表彰する
「Global Student Entrepreneur Award」で、ジュリアンさ
んは17年度のグローバルチャンピオンに選ばれた。また、
メキシコの国家技術賞も史上最年少で受賞した。
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◆乳がん増加中の日本で救世主となるか
最近では、乳がんにかかった有名人が闘病生活を公表する
などして、さらにこの病気が注目されるようになってきた。
科学や医療の進歩で乳がんの検査や治療などが高度化し、患
者数も減ってきているのではと思うかもしれないが、現状は
その逆だ。
日本の統計を見てみると、驚くべき状況が見えてくる。
約50年前は乳がんにかかる確率は50人に1人だった。それが
現在は11人に1人と、確実に上昇してきている。日本でも女性が
かかる全種類のがんの中で乳がんがトップだという。
また、厚生労働省によると、乳がんで亡くなる女性は13年
には1万3千人を超え、35年前と比べて3倍以上としている。
16年時点での乳がんによる死亡数は1万4千人超となり、増加
の一途をたどっている。しかも、30~64歳の女性だけでみる
と乳がんが死亡原因のトップとなっているのだ。
乳がんが増加した背景には、食文化の多様化や食生活水準
の高度化で体の成熟スピードが変化し、初潮が早まったこと
や閉経が遅くなったことが挙げられる。さらに、女性の社会
進出による出産回数の減少にも原因があるといわれている。
というのも、乳がんの発生を促すものとして、排卵期
に多く分泌される女性ホルモン「エストロゲン」が深く
関わっているという。エストロゲンは初潮から閉経まで
排卵のたびに分泌され、初潮から閉経までの期間が
長い女性や、出産回数が少ない(=出産を経験した女性
に比べて排卵が行われる回数が多い)女性は、乳がんリ
スクが高くなるといわれているのだ。
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kage
乳がん発見ブラジャー「EVA」。シンプルなデザインで
着るのにも抵抗がなさそう .
乳がんは、早期発見できれば治療で完治できるが、発見が
遅くなれば乳房の切除や死に至るなど、油断できない病気だ。
2015年時点で、世界には240万人の乳がん患者が存在し
(米国ワシントン大学研究グループの調査結果)、
女性がかかるがんの中で最も多いとされている。
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◆乳がん発見ブラの開発者はメキシコ人
このような現状に立ち上がったのが、メキシコに住む
19歳の男子学生ジュリアン・リオス・カントゥ(Julian
Rios Cantu、Twitter:@JulianRiosCantu)さんだ。
彼が実用化を目指し開発している画期的なプロダクト
とは、乳がん発見ブラジャー「EVA」。
1週間に1度、1時間着用するだけで乳がんの早期発見に
つながるという夢のようなブラだという。一体どの
ようなものなのだろうか。
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◆乳がん早期発見のメカニズム
EVAには200のがん検出バイオセンサーが組み込ま
れた2つのパッチが埋め込まれ、初期の乳がんに見
られる乳房の体温変化のパターンや皮下組織の柔軟
性を検出し、乳がんの早期発見を促すという。
乳がんは腫瘍が発生する際、その部分に血液が大量
に送られることで感触が変化し、体温も上昇すると
いう。EVAのアルゴリズムは、これらの変化に敏感に
反応し、同じ状況が継続すれば、乳がんリスクが高い
としてユーザーに病院での診察をアドバイスする。
乳がんは早い段階で発見し治療すれば約90%の人が
治るといわれているが、乳がんの初期症状は本人に
とってほとんど自覚がなく、早期発見が難しい。
しかし、EVAを定期的に使用すれば、こうした発見が
困難な初期症状を素早く見つけてくれるのだ。
冒頭でも述べたように、EVAの装着は1週間に1度、
1時間のみ。EVAはこの装着時間内でユーザーの乳房
のデータを収集。そのデータは、スマートフォンや
タブレット端末にあらかじめインストールされたアプ
リへBluetoothを介して送信され、人工知能(AI)を
搭載したアルゴリズムにより乳がんリスクを分析するという。
今年4月時点で初回の製造分である5000着のEVAが完売したと、
ジュリアンさんは発表。今後さらにアルゴリズムに改良を
加え、乳がんを検出する高いクオリティーを担保したのち、
2019年初めごろに大量生産を始める予定という。
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◆価格は?
価格は当初、生産過程などの都合上300ドル(約3万3千円)に
なると予測されていたが、ジュリアンさんのアイデアに
賛同したパートナー企業の協力により、1着120ドル
(約1万3千円)にまで下げることができたという。
この価格で乳がんが防げるならかなりお得ではないだろうか。
◆EVA開発のきっかけは母親のつらい実体験
EVAを開発したのは、ジュリアンさんが創業した、バイオ
センサーに特化したスタートアップHigia Technologiesだ。
「Higia(Hygieia)」とは、ギリシャ神話に登場する、健康
の維持や衛生をつかさどる女神だ。
ジュリアンさんがEVAを着想したのは、なんと13歳のころ。
母親が乳がんにかかったのがきっかけだ。乳がんの早期発見
ができなかった彼の母親は、最終的に両乳房を切除すること
になってしまったのだ。
そして16年、自分の母親のつらい経験を見てきた彼は、1人で
も多くの女性を乳がんから救いたいと考え、Higia Technologies
を創業。友人を巻き込んで、EVAの開発に乗り出したという。
創業から2年、チームは7人となり、アドバイザリーボード
には米ハーバード大学医学大学院の准教授や元メキシコ
厚生労働大臣など6人を迎えている。さらに今後の海外
展開のために、コロンビア、スペイン、米国などにも
開発者を抱えている。
実用化が進めば、これほど世界中の女性から求められることは
ないプロダクトを、たった2年で形にした19歳に世界も驚いて
いる。
世界中の学生起業家の中から優秀な人材を表彰する
「Global Student Entrepreneur Award」で、ジュリアンさ
んは17年度のグローバルチャンピオンに選ばれた。また、
メキシコの国家技術賞も史上最年少で受賞した。
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◆乳がん増加中の日本で救世主となるか
最近では、乳がんにかかった有名人が闘病生活を公表する
などして、さらにこの病気が注目されるようになってきた。
科学や医療の進歩で乳がんの検査や治療などが高度化し、患
者数も減ってきているのではと思うかもしれないが、現状は
その逆だ。
日本の統計を見てみると、驚くべき状況が見えてくる。
約50年前は乳がんにかかる確率は50人に1人だった。それが
現在は11人に1人と、確実に上昇してきている。日本でも女性が
かかる全種類のがんの中で乳がんがトップだという。
また、厚生労働省によると、乳がんで亡くなる女性は13年
には1万3千人を超え、35年前と比べて3倍以上としている。
16年時点での乳がんによる死亡数は1万4千人超となり、増加
の一途をたどっている。しかも、30~64歳の女性だけでみる
と乳がんが死亡原因のトップとなっているのだ。
乳がんが増加した背景には、食文化の多様化や食生活水準
の高度化で体の成熟スピードが変化し、初潮が早まったこと
や閉経が遅くなったことが挙げられる。さらに、女性の社会
進出による出産回数の減少にも原因があるといわれている。
というのも、乳がんの発生を促すものとして、排卵期
に多く分泌される女性ホルモン「エストロゲン」が深く
関わっているという。エストロゲンは初潮から閉経まで
排卵のたびに分泌され、初潮から閉経までの期間が
長い女性や、出産回数が少ない(=出産を経験した女性
に比べて排卵が行われる回数が多い)女性は、乳がんリ
スクが高くなるといわれているのだ。
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kage
2018-05-27 07:00
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